NHK受信料は免除できる?


放送法を根拠に徴収されるNHK受信料は、受信装置の多様化により岐路に立たされています。9月2日にはさいたま地裁で争われていたワンセグ携帯の受信料支払いをめぐる裁判でNHK側が敗訴したことで、その傾向はますます強まっています。ここで気になるのは、通常のテレビ設置世帯ではNHK受信料の支払いが免除できるのかということです。今回は、NHK受信料免除の要件と、その方法について見てみましょう。

NHK受信料の意義

そもそも、NHK受信料の意義はどこにあるのでしょうか。NHK受信料は放送法64条と70条を根拠に設置されている制度であり、放送法第2条において「公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信(他人の電気通信設備)を用いて行われるものを含む。」として定義されている「放送」を円滑におこなうため徴収されています。NHK受信料は「いつでも、どこでも、誰にでも、確かな情報や豊かな文化を分け隔てなく伝える」という目的達成のため、また特定の勢力や団体に左右されない独立性を担保するため」のものであり、目的だけを見ると極めて真っ当と言えるでしょう。

NHK受信料は払わなくても大丈夫?

このように支払うことが義務付けられているNHK受信料ですが、インターネットでは支払う必要はないという内容の記事やサイトを複数見かけます。NHK受信料は本当に支払う必要がないのでしょうか。

NHKのQ&Aサイトを見てみると、
「「支払わなくても大丈夫」「溜まってしまい支払いたくない」「見ていないのに支払う必要がない」、そうした方に受信料制度を理解していただくための活動を進めています。それでもなお、ご理解が得られない場合、やむを得ず、裁判所を通じた法的手続きによりご契約・お支払いをいただく活動を進めています。」との記述があります。
※ http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/shiharai_qa.html
実際に滞納していた人に対して裁判を起こし、差し押さえに至るケースも少ないもののないわけではなく、177万軒(11年時点)に対して6千軒(14年実績)と0.3%程度の割合で督促や裁判の対象となっています。また、NHK側も70%程度で低迷している受信料の徴収率の引き上げを図るために、積極的な集金をはじめとする様々な方策を打っているため、インターネットにあるような「NHK受信料を支払わない方法」は今後通用するかは疑わしいと言えるでしょう。

NHK受信料の支払いを免除される要件は?

では、テレビを設置している限り必ずNHK受信料の支払いが必要かというとそうではなく、一定の条件を満たしていれば全額もしくは半額の免除の対象となります。
必要な条件としては、

  • 全額免除…公的扶助対象者、市町村民税非課税の障害者(身体・精神・知的)、学校や福祉施設、災害罹災者
  • 半額免除…障害者(視覚・聴覚、重度の身体・精神・知的)、重度の戦傷病者

のいずれかに該当している世帯が対象です。
つまり、五体満足で安定収入があれば基本的に免除される方法はないと言えます。

おわりに

設置世帯に支払う義務があるとは言え、ひんぱんに取り立てにくることがないのでNHK受信料の支払いはおろそかにされがちであり、支払わなくても良いという意見が多くを占めています。
しかし、良質な番組の安定提供のためにも聴取料は欠かせないものであり、余裕があれば前納を活用して少しでも支払額を圧縮して支払うほうが賢明と言えるでしょう。