巷でよく聞く過払い金請求の方法と手続きの進み方


最近、ラジオCMなどで「過払い金返還請求の期限が迫っています!」というCMを耳にする機会が増えています。グレーゾーン金利による過剰な取り立てから発生した過払い金返還請求は、どのように手続きを進めるべきなのでしょうか。また、本当に時効が近づいているのでしょうか。今回はグレーゾーン金利と過払い金返還請求の関係と実際の手続き、時効の関係について見てみましょう。

グレーゾーン金利と過払い金返還請求

そもそも過払い金返還請求がはじまるきっかけとなったのが、2006年に最高裁で争われたグレーゾーン金利の正当性をめぐる裁判が大きく影響しています。それまで消費者金融のサービスを制限する法律としては、利息制限法と出資法の2つがありました。
しかしこの2つの法律はそもそも想定されていた融資対象が異なっていたため、上限金利が食い違うグレーゾーン金利が発生していました。利息制限法では最大18%の金利負担でしたが、出資法では29.2%と10%以上も高い金利負担が設定されていただけではなく、出資法の罰則のほうが軽かったため、ほとんどの貸金業では出資法の金利を上限金利として大きな収益をあげていました。

先に触れたように2006年に最高裁において事実上「グレーゾーン金利を認めない」という判決が下ったことをきっかけにグレーゾーン金利が一気に社会問題化、国会でも散りあげられたことから急速に法改正が進み、2010年には関連法の改正と合わせて上限金利の一本化がおこなわれます。この法改正によりそれまでグレーゾーン金利で支払っていた部分についてはカードローン会社に請求することで全額返還することが義務付けられ、現在まで続く過払い金返還請求がはじまったのです。

過払い金返還請求の手順とは?

過払い金返還請求をした人の中には、100万円以上の金額が手元に戻ってきたり、かなり大きな金額の残債が帳消しになるなど、大きな負担減につながった経験をした人は珍しいことではありません。ここまで劇的な負担減にはならなくても、臨時収入としては大きな金額が生じる割りには負担は少ないため、過払い金返還請求に該当する返済があれば積極的におこなっていきたいところです。弁護士事務所や司法書士事務所にまかせることが多い過払い金返還請求の手続きですが、実は手順さえ把握しておけば個人でも可能です。

過払い金返還請求の大まかな流れを見てみると、

  • 取引履歴の入手…過去の支払状況や利息を確認
  • ひきなおし計算…正しい金利で計算のやり直す
  • 過払い金の請求…内容証明で貸金業者へ返還請求
  • 業者との交渉
  • 返還金の受け取り
  • 領収書や請求書などの「証憑書類」の返還

となっています。

弁護士や司法書士に依頼すると、手間はかからないものの着手金や成功報酬として少なくない金額を支払うことになります。自分で全てをおこなうと、膨大な手間がかかるものの帰ってきた過払い金は全額手元に残ることになります。どちらのメリットを取るかを考えて、プロに依頼するか自分で手続きをするかを選びましょう。

期限間近?過払い金返還請求の時効とは

さて、最近では「過払い金返還請求の時効間近!」という話を見聞きする機会が増えています。2006年に最高裁で争われた裁判の判決で、過払い金返還請求は、完済から10年を時効とすることが決定されています。ここで重要なのは、過払い金返還請求の時効とされているのは「借り入れ」ではなく「完済」した時点から10年であること。年内に期限が迫っているのは2006年までに完済した借り入れであり、完済した時期がそのあとであれば時効もそれに応じて後ろだおしになります。つまり、CMで見聞きするような「時効」が正しいかどうかはそれぞれの借り入れ・返済状況によってことなってくるのです。

おわりに

大きな成果報酬が期待できることから弁護士や司法書士は過払い金返還請求の受付に大きな力を注いでいます。
しかし、注力するあまり不正確な内容での広告が拡がるなど、あまり好ましい状況とは言えません。
実際の手続きや時効を確認することで、不正確な情報に振りまわされないようにしましょう。